第12話
「言葉による制裁」
11月になり、武術大会が行われ、登録していた翔たちは東京にある日本武道館に行ったが、孝太郎は体調不良でアパートの自分の部屋にいた。
昼間、孝太郎はバンダナを巻いてない状態で壁にもたれてボーっとしていると、ドアをノックする音が聞こえたので扉を開けた。
「はい…!?」
出入り口の前に立ってたのは丹河だった。その表情は今にも襲い掛かろうとしてるようである。
「どうやら周りには誰もいないみたいだな。それにお前は体調不良か…都合がいい。やっと俺に勝期が回ってきたってところか…」
丹河は不敵な笑みを浮かべて言った。その右手には木刀が握られている。
だが、孝太郎は怯え一つ見せなかった。
「本調子じゃない相手を倒して何が楽しい?確かに今の俺ならあんたでも勝てるだろうさ。だけど、今の俺を倒してもあんたの心に感じるのはむなしさだけだぜ?」
「やってみなけりゃわからないじゃないか。とにかく、俺はお前を絶対に倒す!」
「悪いが、そういうのは学校の武道館だけにしてくれ」
強い意気込みを持っている丹河に対して、孝太郎は落ち着いた口調で話し、扉を閉めようとしたが、丹河が足でストッパーをして閉められなくした。
「逃げるのか!?この卑怯者が!」
「体調不良で、しかも武器を何も持ってない俺に対して、元気に木刀で襲い掛かるあんたのほうが卑怯者だと思うけど?」
丹河は怒鳴り散らしたが、孝太郎は冷静さを少しも欠くことなく反論した。
「そんなことはどうでもいい!とにかく表に来い!」
そう言って孝太郎の胸倉を掴んで無理矢理外に引っ張り出す。そして、庭に出たとき、丹河は孝太郎を投げ捨てるかのように手を離した。孝太郎は地面に倒れたが、丹河に対する怒りは全く見せず、普通に立ち上がると服やズボンについた砂を払った。
「どうだ!少しはやる気になったか!?」
「全然。ったく、本当に懲りないなぁ」
丹河は挑発的に言ったが、孝太郎は首を横に振りながら呆れ気味に言った。
「当たり前だ!俺はお前を絶対に倒す!食らえ!!」
丹河は怒鳴りながら木刀を振り回した。だが、孝太郎は少しも動くことなく、振り回された木刀が左の掌に当たった瞬間、木刀を強く握った。
「反射神経は相変わらずのようだな。だが、まだ…は、離せ!」
挑発的に言った後、次の攻撃をかけようとして木刀を引こうとしたが、木刀が孝太郎の手から離れなかった。
「そうやって一方的に生徒を木刀で殴って楽しいか?」
孝太郎は低い声で言いながら、木刀を握る手に少しづつ力を入れていく。
「それだけ生徒が腰抜けだからだ。俺はそいつらに喝を入れてるだけだ!」
丹河はそう言いながら木刀を引こうとするが、木刀は抜けなかった。
「こんなものがあるから…それにあんたみたいな教師がいるから…」
孝太郎は怒りを込めたような口調になり、右手で木刀に空手チョップを当てると、木刀はその部分から真っ二つに割れ、左手に力を入れると、その部分から少しづつひびが入っていき、遂には粉々になった。
丹河はしばらくの間、自分の手に残っていた木刀の取っ手の部分を唖然としながら見ていた。だが、しばらくして…
「こ…この野郎…よくも俺の商売道具を壊してくれたな」
表情は怒りに変わり、孝太郎を鋭く睨みながら言ったが、孝太郎は平然としていた。
「人を殴るための木刀なら壊れてしまったほうがいい。第一、木刀で殴られて怪我をしない人がいると思ってるのか?」
「黙れ!俺はお前を暴行罪で絶対に訴えてやる!」
「やれるものならやってみるんだな。俺を訴えたら、あんたも生徒に行ってきた数々の体罰で罪に問われるぞ」
「なに?」
孝太郎が反撃するように言うと、丹河は顔をしかめる。
「あんたは教師なら、学校には『学校教育法』っていう法律があるのは知ってるだろ?」
「当たり前だ。バカにするな!」
「じゃぁさ、その第11条にはどんなことが書いてあるかも知ってるよな?」
怒りをあらわにしたり、時折顔をしかめたりする丹河とは違い、孝太郎はずっと落ち着いた口調だった。
「そんなもの知るか!」
「そうか…なら教えてやる。どの法律の辞書を見てもこう書いてあるぜ。『学校教育法第11条。校長および教員は、教育上必要があると見られるときは、監督庁の定めるところにより、学生及び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない』ってな」
「ぐっ」
丹河は苦虫を潰したような表情になる。
「あんたが今までやってきたことは法律違反だ。これを知ってもまだ体罰を続ける気か?」
孝太郎の口調は変わってなかったが、意識が少しづつ遠くなっていくのを感じていた。
「もはやこれまでか…だが、ここまで来た以上、お前を倒して俺が最強になってやる!」
丹河の表情は怒りに戻り、孝太郎に襲い掛かった。
孝太郎はもう少しで当たるというところで回避したり、掌で弾いたりしていた。
そして、少しめまいを感じながらも手に力を込め、丹河が何のためらいもなく突進してきたところを孝太郎はストレートで吹っ飛ばし、丹河は塀に激突して気絶した。
だが、孝太郎は頭がふらつき、よろめいて地面に手をついた。
「おい、大丈夫か!?」
偶然その場を通った男が孝太郎に駆け寄って聞いた。
「ひどい熱だ。部屋へ運ぼう。君の部屋は?」
孝太郎はもうろうとする意識の中で、力を振り絞って自分の部屋を指差す。
「上の階の出入り口が開いてるところだな?」
男が聞くと、孝太郎は何も言わずに頷いた後、体の力が抜けて意識が完全になくなった。
「う…ここ…は…?…俺の部屋?」
次に孝太郎が目を覚ましたとき、見慣れた天井が目に入り、周りを見ると自分の部屋だとわかった。窓からは夕日の光が入り込み、孝太郎は布団の中にいる。
「気がついたか…よかった。机に乗ってる名簿を見ると、君は真月西高校の生徒のようだね」
声に反応して振り向くと、大人びた男がいた。その顔は孝太郎は初めて(?)見る顔だった。
「失礼ですが、どちら様で…?」
孝太郎は体を起こして聞いた。
「僕は矢神 恭平(やがみ きょうへい)。西高で教師をしている矢神京子と、そこの生徒である矢神沙羅の兄だ」
「…そういえば、新聞とかで…俺はクラスは違いますが、矢神沙羅さんの同級生で、海原孝太郎と言います」
体の不調で思考能力が低下しているせいか、恭平が自己紹介するまで思い出せなかった。
「ほぉ、君があの孝太郎君か…京子と沙羅の口からよく君の名前が出てくるんだよ。僕も一度君と会って話がしたいって思ってたんだ」
「そうですか…うっ」
孝太郎の体力はかなり消耗してしまっているみたいだ。幾度となく、めまいが襲う。
「安静にしてていいよ。ほら、横になって」
恭平のなすがままに、孝太郎は横になった。
「すいません。せっかく来てくれたのに…」
「今は安心して寝るといいよ。僕が見ててあげるから」
「ありがとうございます。矢神さんの家ってここからあまり遠くないですから、先生たちが来るかもしれません」
「僕のことは名前で呼んでくれていいよ」
「じゃぁ、恭平さんでいいですか?」
孝太郎が聞き、恭平が微笑んで頷くと、出入り口のドアをノックする音が聞こえた。
「海原君、起きてる?」
「あの声は、矢神さん…」
「僕が出るよ」
恭平は孝太郎にしか聞こえない程度の声で言って立ち上がった。そして、出入り口のドアを開けると、沙羅は思いっきり驚いた。
「え゛!?に、兄さん!?」
「ここで会うなんて奇遇だね。大会はどうだった?」
驚く沙羅をよそに、恭平は笑顔で聞いた。
「3回戦ぐらいで山下英次君が相手になって負けちゃった。それより、兄さんがどうしてここにいるの?」
沙羅は少し動揺しながらも大会の結果を言い、恭平がここにいる理由を聞いた。
「ここを偶然通りかかったんだ。その時に庭で孝太郎君が倒れかけてね。それを僕が助けたんだ。立ち話もなんだから入りなさい」
恭平は理由を説明して孝太郎のところに戻る。沙羅も後に続くように入った。
「体の調子はどう?」
「何とかなってる。けど、さっき少し暴れたから…」
沙羅が聞くと、孝太郎は少し荒い息をしながら答える。
「暴れたって?そう言えば、丹河先生が庭で倒れてたけど、それと関係あるの?」
続けて聞くと、恭平が説明した。
「仕事帰りでここを通ってね。そしたら孝太郎君と丹河っていうのかな?その先生が決闘らしいことをやっててね。孝太郎君はストレート一発で倒したんだよ」
沙羅は感心していた。と、恭平がおもむろに立ち上がって言った。
「さて、僕は帰るよ。沙羅、孝太郎君の看病はお前がしてやりなさい」
「兄さん…」
二人のやり取りの中、孝太郎はいつの間にか寝ていた。恭平は出て行き、沙羅は部屋に残ろうとしたが、あることを思いついて、一度家に帰ってから部屋に戻った。
沙羅は静かに寝息を立てている孝太郎の髪を撫でながら呟いた。
「…今度は私が、海原君を助ける番ね…」
夜になり、翔たちも帰ってきたが、沙羅が二人きりにさせて欲しいと頼んだため、孝太郎の部屋には何も知らずに寝ている孝太郎と沙羅しかいなかった。
ちなみに丹河は目を覚まして自力で起き上がった後、孝太郎に再び襲いかかろうとしたが、沙羅が二人きりにさせて欲しいと頼むまで出入り口で見張りをしていた翔がはっ倒し、事情を聞いた他の教師たちが担ぐように連れて帰って行った。
翔は留美の部屋で、留美が作った夕飯を二人で食べている。
「まったく、丹河先生も卑怯なことをするわね」
「そうだな。孝太郎が体調不良で弱ってるところに殴り込みをかけるんだから…またやったら、ただで済まさないぜ!」
留美が愚痴を漏らすと、翔は相槌を打った。
「う…もう夜か…」
しばらくして、孝太郎は目を覚ました。
「大丈夫?」
ずっと様子を見ていた沙羅が優しく問いかける。
「矢神さん…ずっといたのか…」
「うん。楽にしてていいよ」
孝太郎は体を起こそうとしたが、まだ頭がふらつき、それを見た沙羅が手を貸して寝かせた。
「家には帰らなくていいのか?」
「大丈夫よ。姉さんたちには今夜は泊まるって言ったから」
時計を見ると8時を過ぎており、気になって聞いたが、沙羅は微笑んで言うと、孝太郎は驚いて目を大きく開いた。
「明日の用意なら持ってきたから大丈夫よ。それに、家にいると変な電話がかかってきて…」
「変な電話?」
沙羅は何かに怯えるように内容を話した。沙羅が家にいるときに必ず携帯に電話がかかり、出ると無言だったり、時には沙羅が買い物に行くと、そのことを言われたりと様々だそうだ。
「それなら、『迷惑電話お断りサービス』で対処したほうがいいぜ」
「それもやったわ。けど、それでも懲りずに番号を変えたりしてかけてくるの。だから、出ずに放置することもあるんだけど…!」
話している途中で沙羅の携帯が突然鳴った。沙羅は驚くと同時に怯えがひどくなり、手に持ちながらも出ることができなかった。
それを見た孝太郎は沙羅の手から携帯をそっと取って出たが、何も言わなかった。
「今どこで何をしてるんだ?部屋の明かりがついてないってことは、出かけてるんだろ?」
かけてきた相手は低い声で聞く。どうやら機械で声の質を変えているみたいだ。孝太郎は何も言わずに聞き続けた。
「今すぐ帰って来い。さもなくば君の家に…」
「何をするというんだ?」
相手は脅すように言うと、孝太郎が遮るように聞いた。
「な!?だ、誰だ!?」
相手は驚いて聞いた。そんな相手に対して、孝太郎は反撃するかのように低い声で言った。
「人は俺のことを青い龍って呼んでるぜ?」
すると相手は逃げるかのように電話を切った。
「あ、ありがとう…」
沙羅はまだ震えていた。
「にしても、間抜けなストーカーだな。自分の携帯の番号を通知するなんて…」
孝太郎は番号を登録し、名前に「間抜けなストーカー」と入れた。
「ち、ちょっと、何するの!?」
沙羅は慌てて孝太郎の手から携帯を奪うように取り、登録された番号を消そうとしたが、孝太郎が止めて言った。
「こうしておけば、すぐにストーカーってわかるから出ずに済むだろ?それに登録しておけば、もう一つの撃退法を実行できるからな」
「もう一つの撃退法って?」
「出たくない相手からかかってきたときにバッテリーを外すと、かけてきた相手には圏外に思わせることができるんだ」
これを聞いて沙羅は感心した。だが、一つの疑問が浮かんできた。
「携帯を持ってないのに、どうしてそんなことまで知ってるの?」
「叔父の勧めで去年の夏休みに持ってたことがあったんだ。もっとも、使い道がなかったから夏休みが終わると同時に返したけどね」
孝太郎は少し落ち込んだような表情で言った。
「何かあったの?」
「持ってた頃に俺にも迷惑電話がいっぱいかかってきたんだ。そのおかげで、バッテリーを外すっていう撃退法を知ったんだ」
「へぇ…まさに怪我の功名ね」
この後はいろいろなことを話していた。いつの間にか時計は10時を回り、沙羅は眠いと言うことで横になろうとしたが…
「布団、これしかないんだ。だから家に帰ったほうがいいんじゃないか?」
孝太郎は横になったまま言ったが、沙羅は引かなかった。
「じゃぁこの布団で寝ればいいよね?」
これを聞いて孝太郎の顔は真っ赤になる。そんな孝太郎をよそに、沙羅はおかまいなく布団に入った。
「お、おい、風邪がうつるぞ?」
「それもいいかもね」
孝太郎は沙羅に背を向けた状態で焦りながら言ったが、沙羅は微笑みながら言った。
「あのなぁ…!」
愚痴をこぼしている途中で、沙羅は孝太郎の首の周りに両腕を回し、そのまま離さなかった。
「一人にはさせないから…みんなが海原君を見捨てても、私は絶対に離れないから…su〜」
沙羅は優しい声で言うと、そのまま眠っていった。
「気持ちは十分すぎるほどわかった。けど、俺はそれに応えることができない…zzz」
孝太郎も悲しげな表情で言うと、いつの間にか眠っていった。
翌朝。沙羅は体を起こしたが、幸いにも風邪がうつることはなく、元気にしていた。だが、孝太郎は少し苦しそうに寝ていた。
沙羅は翔と留美に孝太郎の状態を話した。
「沙羅ちゃんはどうしたいの?」
「どうしたいって?」
留美の質問に沙羅は聞き返した。
「孝太郎のことさ。あのままの状態で矢神さんも学校に行くのか、それとも看病するために学校を休むか」
翔が真剣な表情で聞いた。
「一人にはさせないって決めたから…だから、看病するわ」
沙羅ははっきりと言った。その表情には強い意志が感じられた。
「言うと思ったわ。先生には私から言っておくから」
留美は優しい表情で言い、翔と二人で学校に行った。
振り返らずに話しながら歩いていく二人を、沙羅は優しい表情で見ていた。
二人の姿が見えなくなったところで部屋に戻ると、孝太郎は目を覚ましていた。
「矢神さん…学校はいいのか?…うっ」
沙羅に聞きながら体を起こすが、まだ頭がフラフラするようだ。おそらく、昨日暴れたのが原因で悪化したのだろう。
「安静にしてていいよ」
沙羅は手を貸して孝太郎を寝かせる。
「薬とか、飲んだの?」
「いや…風邪引いたのは去年の春以来だから、薬なんてこの部屋には置いてない。あるとしても、冷蔵庫の中のシップぐらいだ」
これを聞いて沙羅はため息をついて言った。
「じゃぁ私が家から持ってきてあげる」
「お、おい…そこまでしてくれなくていいよ」
「ダーメ♪病人が病気を早く治すには、素直に看病する人の言うことをきくこと♪」
「しょうがねぇなぁ…それじゃぁ、ちょっと待ってくれ」
はにかんだ笑顔で話す沙羅に孝太郎は呆れてため息をつき、布団から四つんばいで出て、鞄の中から鍵を取り出した。
「俺の部屋の鍵だ。出入り口を閉めたらこれでかけてくれ」
「ありがとう。それじゃぁ持ってくるね」
沙羅は鍵を受け取り、外に出ると鍵をかけ、家に向かって走っていった。
「何で俺のためにここまでしてくれるんだ?…まさかあの噂は本当なのか?…だとしても、俺は…zzz」
孝太郎は沙羅が遠ざかっていくのを気配で感じながら疑問を口にし、いつの間にか眠っていった。
それからしばらくして、孝太郎は眠りから覚めようとしたとき額に冷たいものを感じた。
「う、うん?これは…冷却シート」
はっきりしない意識の中でおもむろに手を額に伸ばし、冷却シートに触れながら言った。
「気分はどう?」
「…自分でもわからねぇ…」
沙羅は優しい声で聞いたが、孝太郎の愚痴のような言い方にため息をついた。
「薬、飲む?」
「…しかないみたいだな…うっ」
薬を飲もうとして体を起こそうとしたが、頭がふらついた。
「横になってていいよ」
「でも、起きなかったら飲めないだろ?」
「いいから、横になってて。そのままでも飲める方法を知ってるから」
そう言って手を貸して寝かせ、沙羅は薬と水を口に含み、孝太郎に口移しで飲ませた。
「!…う…ぅ…ぅ…う!…ぶはぁ!はぁ…はぁ…」
薬は水と一緒に孝太郎の喉を通り、沙羅はそれを確認したかのように唇を離し、二人の顔は真っ赤になった。
「んもう、口移しぐらいで真っ赤になることないじゃない」
「口移しぐらいってな…そう言う矢神さんだって顔が真っ赤になってるぞ」
この後は二人で笑い合った。孝太郎は薬のおかげで笑う余裕が出てきたみたいだ。
「でもさ…」
「ん?なに?」
「どうして、俺にここまでしてくれるんだ?」
「それはね…っと、それを言う前に、お願いを一つ聞いてくれたら教えてあげるわ」
孝太郎はある疑問を口にし、沙羅はそれに応えようとしたが、ふと思いついて悪戯っぽい表情になった。
「お願いって?」
「それはね…」
そう言いながら沙羅の顔は少しづつ赤くなっていく。
「…それは?」
「私のこと…」
「…?」
沙羅は俯いて両手の人差し指の先をモジモジとさせ、孝太郎は?としかなれなかった。
しばらくして、パッと明るい表情になって言った。
「名前で呼んで♪」
<あとがき>
体調不良で武術大会を休んだ孝太郎。
それをいいことに丹河が襲い掛かったが、孝太郎の強さは変わらなかった。
だが、体力が尽きて倒れ、そこを恭平が助けた。
翌日、沙羅は孝太郎の看病をするために学校を休み…。
そして、学校を休んでまで看病をする理由が次回で明らかに。
今回はここまでです。
短文ですが、以上です。