プロローグ

どこへ向かっているんだろう
何故僕は歩いているんだろう
突然だった
普通が普通でなくなった
イヤだ イヤだ イヤだ
もう、何もかも忘れてしまいたい
僕は・・・僕は・・・

傷つくのが怖いんだ


夜の街。
明かりもほとんどない。闇に飲まれているような感じがする。
僕はなんとなく目に付いたマンションの一部屋の前に立ち、呼び鈴を鳴らす。
表札には、『月峰』と書かれていた。

「・・・・・・」

・・・出てこない。
僕はもう一度呼び鈴を鳴らしてみた。

「・・・・・・」

やっぱり出てこない。
左手にしていた腕時計に目を落とす。針は1時半をさしていた。つまり深夜だ。普通の人なら寝てておかしくない。
僕はあきらめようと思い、右を向いた時、今の行動で僕の左側になった部屋の扉が開いた。

「誰?こんな時間に・・・」

出てきたのは16歳くらいの、多分僕と同じくらいの女の子だった。
女の子は眠たそうに右手で左の目をこすっている。

「あのさ、僕、行き倒れ。助けて」
「・・・・・・」


ズルズルズル・・・・

「ん〜、おいし〜」
「ただのカップラーメンなのに・・・」

僕は女の子の部屋でカップラーメンをすすっている。
持っていたお金がなくなってからの2日間、まともなものを食べてなかったからカップラーメンでもとても美味しく感じられた。
それにしても・・・やさしい人っているものなんだ。
自分でやっといてなんだけど、普通怪しがると思う。
ちなみにこの女の子は月峰 瑠璃(つきみね るり)といって、今は一人暮らしをしてるそうだ。

「ふぅ。ごちそうさま」
「おそまつさま・・・っていうのは変かな?」

僕はごみ箱を見つけて割り箸と空になったカップラーメンの容器を捨てる。
スープまでしっかり飲み干してしまっていた。

「それで?」
「へ?」
「私の家に何の用?」

・・・・・・どうしよう・・・。
ただご飯が欲しかっただけなんだけど。
僕は少し考えてから、正直に言ってみることにした。

「ご飯が欲しかったんだ」
「・・・・・・」

完全に疑いの視線を向けられている。
怪しさが倍増してしまったようだ。

「・・・家出?」
「は?」
「家出でもしてきたの?」
「いや、その・・・」
「そういう時はせめて友達の家に厄介になりなさい。見ず知らずの人の家に行き倒れなんていって転がり込むのはよくないわよ。それに、そもそも家出なんてしても何にもならないわよ」
「あ、あのぉ・・・」
「ほら、もう家に帰りなさい」

・・・なんだか、子供扱いされてる気がする・・・。
僕と瑠璃はおそらくそんなに年は離れてないと思うのに。
・・・そんな事考えても仕方がないか・・・。

「僕、家出じゃないよ。・・・・・・」
「・・・じゃあなんなの?痴漢?泥棒?」
「うぅ・・・そう見えるの・・・?」

どうしよう。言ってみようか。
  
でも信じてくれるとは思えないし、でも言わないと僕、何者にされるかわからないし・・・。
まぁ、言うだけ言ってみようかな・・・。

「あのさ、僕が記憶喪失だって言ったら、信じてくれる・・・?」
「ううん」

即答だった。

「あう・・・・・・」
「下手な嘘つかないで家に帰りなさい」
「むむむ・・・・・・」
「ほら」

どうするべきか。
僕は考え込んでしまう。

「・・・まさか、本当…じゃないでしょう?」
「本当だってば・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

沈黙。
居心地が悪かった。

「いいよ」
「へ?」
「泊めてあげる」
「え?え?あ、えと、ホント!?」

僕は自分の耳を疑った。
いくら自分が頼んだようなものとはいえ、本当に承諾してくれるとは思っていなかったから。

「そのかわり変な気起こさないでね。今毛布もってきてあげるから」
「う、うん・・・」

その後、瑠璃は毛布を持ってきてくれ、僕はお礼を言ってそれを受け取った。
こういうのって同棲って言うと思ったけど・・・。
僕はまぁいいという事にして、布団を頭まで被った。


あとがき的座談会〜♪
フェレット(以下 フ)「ふみぃ〜。どうも〜、フェレットで〜す♪」
主人公(以下 主)「主人公です、よろしく。今回は僕と瑠璃がゲストとして呼ばれました」
瑠璃(以下 瑠)「まだ私達しか出てきてないしね」
フ「というか、そんなに沢山出てこないんだけどね〜」
主「そうなの?」
フ「うん。あ、でも君と瑠璃だけじゃないのは勿論だよ〜」
瑠「そんなの当然でしょ」
フ「あう・・・」
主「ところで、何で僕の名前が主人公なの?名前、これなの?」
フ「それは今だけの仮名だよ〜。本編で名前が出たらそっちにするよ〜」
主「ほっ」
瑠「ところで、なんだか内容が短いけど、これってやっぱりプロローグだからなの?」
主「それとも手抜き?」
フ「ん〜、ボクは長い文章あんまり書けないからねぇ〜。だいたいこの位の長さの話がほとんどだと思うよ〜」
主「手抜きってことか・・・」
フ「グサッ
瑠「先が思いやられるわ・・・」
フ「グサグサッ
主「え〜と、それでは次回予告を・・・」
フ「あぁ〜!待って待って〜!」
瑠「どうしたの?」
フ「予告して守れる自信がないから、予告は無しにして〜♪」
主「・・・・・・」
瑠「・・・・・・」
フ「あ、あの〜・・・。その沈黙の意味はいったい〜・・・?」
主&瑠「それではここまで読んでくださった皆さん。ありがとうございました!!」
フ「あ、あ、ちょっと〜!勝手に終わらせな・・・」

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